Pages

Monday, May 6, 2013

全人間的に生きる 3

生命を感じ、その爆発を表現する為に岡本太郎はひとつの決心をした。



「これからは、自分にとって不利な道、危険な道を選ぼう」



これは一見、自殺行為ともとれる。
しかし「生」にこだわればこだわるほど、人は自分の生命を大事に奥にしまって生命の表現、歓喜を自分でふさぎ込んでしまう。逆に「死」にこだわればこだわるほど、生命は燃え上がり、膨れ上がり、広がって行くという矛盾のなかの光を追う事を決心したのだ。


そのひとつの例として有名なのが、スキーだ。
岡本太郎はスキーを46歳ではじめたらしい。それは滑るときに生命の危機を感じ、必至にそれに対してぶつかっていく過程に生命の歓喜を覚えたからだという。





岡本太郎に「遊び」はあっても、「お遊び」は存在しない。
遊びとお遊びには雲泥の差があって、本気度が全然違う。「お遊び」は趣味程度で、それに全身全霊をつぎ込まない、つまり自分を守りに守って傷つかないようにするいわば馴れ合いの「事なかれ主義」と通ずる。
一方「遊び」は後先考えず、自分の全てを投げ打って没頭することを言い、死をも恐れずにぶつかることで人間の奥底にある生命の歓喜を爆発させるという、岡本太郎の哲学だ。





No comments:

Post a Comment